5G「ミリ波」で生活が変わる!?5G対応スマホは「今」購入すべきなの?

5G「ミリ波」で生活が変わる!?5G対応スマホは「今」購入すべきなの?

日本でも2020年3月から5Gのサービスが始まりました。「早速5G対応のスマホを買おう!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2025年までに利用できる地域が拡大されるのではと言われていますが、2020年12月時点で利用できるのは、多くの人が集まる一部の地域です。

5G対応スマホには「sub6のみ対応」と「ミリ波、sub6どちらも対応」があります。

ミリ波?sub6?同じ5Gでも、どのように違うのかよくわからないという方へ。「5Gとは何か?」という基本から、スマホだけではない5Gミリ波のサービスが開始されたことで生活がどのように変わっていくのかを解説していきます。

この記事でわかること
  • 5Gとは何か
  • 5Gへ進化の歴史
  • 5G対応スマホの購入はいつがいいのか
  • 5G「ミリ波」今後の広がり

5Gとは何?

5Gとは何ですか?

携帯電話会社のテレビCMなどで、5G(ファイブ ジー)をよく耳にします。いったい5Gとは何でしょう?ここでは、4Gとの違いと併せて5Gとは何かをご紹介します。

5Gとは何?

5Gとは「5th Generation」の略で、第5世代移動通信システムのことをいいます。

Wi-Fi機器のなかには5Gとアクセスポイント名が表記されることもあるので混同してしまいますが、Wi-Fiの5Gとは5GHz帯をさしていて、まったく別のものです。

5Gの特徴

  • 「大容量・超高速」によって高解像度の動画配信が可能になる
  • 「超低遅延」によって自動運転の精度が向上する、遠隔治療が可能になる
  • 「多数同時接続」によってIoT(さまざまな物をインターネットにつなげる)が普及

4Gとの違いは何?

4Gとは第4世代移動通信システムのことで、現在使われているLTEやLTE-Advancedのことをいいます。4Gと5Gの違いをまとめました。

4G5G
周波数帯3.6GHz以下6GHz以下・28GHz
通信速度最大1Gbps最大20Gbps
遅延速度10ms1ms
同時接続数10万台/平方km100万台/平方km

4Gで数分かかっていた2時間の映画のダウンロードが5Gでは数秒でできます。

また遅延が少なくなることで、医療や自動運転など信頼性が大切な分野で活用が期待されています。

5Gには2種類あり!「ミリ波」と「sub6」の違い

5Gのミリ波とsub6の違い

5Gには「ミリ波」と「sub6(サブシックス)」があります。どのような点が違うのか見ていきましょう。

5Gの「ミリ波」とは?

ミリ波は30GHz〜300GHz帯をいいますが、日本で使われる28GHz帯もミリ波とよばれます。

同じ5Gのsub6と比べて周波数が高いのが特徴です。周波数が高くなるほど直進性が強くなるので建物などの障害物に回り込めない、雨や大気中の水蒸気で電波が弱まってしまうという理由で広いエリアをカバーできません。

4G 5G「ミリ波」「sub6」

5Gの「sub6」とは?

sub6とは6GHz未満の周波数帯のことをいいます。

ミリ波との違い

  • 4Gの技術の転用ができる
  • 電波の届くエリアが広い
  • 障害物や気候の影響を受けにくい

5G(ミリ波・sub6)への進化の歴史

5G「ミリ波」「sub6」へ進化の歴史

5Gとは第5世代移動通信システムだとわかりました。それ以前の1~4世代はどのようなものだったのか、これから5Gを使ってスマホにできることをご紹介します。

5Gへの流れ~携帯電話やスマートフォンと進化の歴史~

携帯電話やスマートフォンは一人一台、手放せないものになっています。その誕生から約10年の周期で便利な機能が追加されてきました。

1Gから5Gへ進化の歴史

1G(1980年代)

アナログ回線で音声通話のみの携帯電話が普及

ユーザーにレンタルという形で提供されていて、保証金や工事費の負担金などで約20万円、基本使用料は月額2万円以上かかり、とても高価なものでした。

2G(1990年代)

アナログ回線からデジタル回線になり通話の音質が向上。

また、音声通話だけでなくメールが送れるようになりました。

3G(2001年~)

世界標準の移動通信システムで海外でも利用可能に。

カメラ付きの携帯電話で撮影した写真をメールに添付して送信できるようになり「写メール」という言葉が浸透しました。

iモードなどで検索をして情報を得られるようになりましたが、画像などの表示速度は遅くて「もう少し早く動かないかな」と感じるものでした。

4G(2010年)

スマートフォンの普及

データ通信が更に高速化し、スマートフォンやタブレットで動画やゲームを楽しむ人が増えました。

5G(2020年~)

IoT(Internet of Things インターネット オブ シングス)の普及。

通信機器だけでなく、日常のさまざまな物がインターネットに接続可能になります。すでに外出先から操作できるIoT家電やスマートハウスは実用化されています。

日本の5Gを使った携帯通信サービスの始まりは?

日本ではNTTドコモが、2010年から5Gに関するコンセプト検討を開始、2017年から東京臨海副都心地区(お台場)、東京スカイツリータウン周辺に「5Gトライアルサイト」を構築しました。

2019年には、2020年の東京オリンピックを前に、国内で開催されたスポーツの国際試合に合わせて、観客に5Gを体感してもらう試験サービスを実施しました。

  • NTTドコモはラグビーワールドカップ2019で、5Gを使ったスポーツ観戦のサービスを提供
  • KDDIはドローン(小型無人航空機)やロボットカメラと連動した会場で警備に活用する仕組みを開発
  • ソフトバンクはさいたまスーパーアリーナで開催されたバスケットボール男子日本代表の強化試合にて試験サービスを提供

2020年3月末までにNTTドコモ、KDDI・沖縄セルラー、ソフトバンクが、5Gのサービスを始めました

5G「ミリ波」を使ってスマホでできること

5Gミリ波を使ってスマホでできることは、どんなことがあるのでしょうか?5Gの特徴でもある超高速通信、超低遅延、多数同時接続からみてみます。

超高速通信

4Gと比較すると約20倍の通信速度です。超高速大容量通信が実現すれば、高画質の動画をスマホやタブレットで観られます

YouTuberもチャンネル登録してくれた人の月末の通信速度制限を気にしながら、動画を撮影しなくてよくなるかもしれません。

また、映画(2時間)のダウンロードが5Gでは数秒でできるので、外出先でも気軽に楽しむことができます。

超低遅延

超低遅延のキーとなるのはエッジコンピューティングです。(デバイスとサーバーの物理的な距離を縮めて、通信時間を短くする技術)

クラウドコンピューティング エッジコンピューティング

今まではデバイスからサーバーまでデータを送り、サーバー側で処理したデータをデバイスに返すということをしていました。(クラウドコンピューティング)

しかし、これでは時間がかかってしまいます。

エッジコンピューティングは、基地局の近くにエッジサーバーを設置し、そのエッジサーバーで処理したデータをデバイスに返すことで距離を短くして低遅延を確保しています。

このことで4Gでは10ms(100分の1秒)の遅延が、5Gでは1ms(1000分の1秒)程の遅延に抑えられます。約10分の1の遅延になることで、瞬時に通信が行えるようになります。

スマホでライブを視聴する時、止まってしまうなどのストレスなく高画質な映像がすぐ楽しめるので、まるでその場にいるかのような臨場感をあじわえるようになるでしょう。

また、この技術は遠隔医療や車の自動運転、さまざまな機械の遠隔操作などでの活用が期待されています。

多数同時接続

4Gでは10万台/㎢が5Gでは100万台/㎢の同時接続が可能になります。

災害時や、大型イベント、ライブ会場など多くの人が集まる場所でつながりにくかったスマートフォンが快適に使えます

IoT

また、身の回りの物をインターネットに接続することができ、外出先からスマホで操作ができます。(IoT)

5Gのスマホはいつ買うべき

5G対応スマホはいつ買うべき?

5G対応のスマートフォンはどれくらい販売されているか、また購入するのに良いタイミングはあるのでしょうか。

5G「ミリ波」対応のスマホとは?

2020年12月現在、シャープやソニーモバイルなどの国内メーカーから販売されているスマートフォンは「sub6」のみ対応しています。

周波数が高い「ミリ波」は、端末のアンテナの形状を工夫しないといけないなどの理由から対応していません。

サムスンの「Galaxy S20+」「Galaxy S20 Ultra」や、ソニーモバイルが開発のみ発表した「Xperia PRO」はSub6とミリ波、両方に対応しています。

5G「ミリ波」対応エリアは?【2020年12月】

2020年12月現在、5Gミリ波のスマートフォンが使えるエリアは限られています5Gミリ波対応のスマホにしたからといって、どこでも通信速度が変わった!と実感できる環境ではありません。

大手携帯電話会社の5Gサービスエリアマップを見て、自分が普段スマホを使うエリアはサービスエリア内なのか確認することが必要です。

docomoサービスエリアマップ

docomoサービスエリアマップ

auサービスエリアマップ

SoftBankサービスエリアマップ

楽天モバイルサービスエリア

5Gスマホの購入はもう少し待つべき?

5Gスマホはいつ購入したらいいの?と迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

現在5G対応エリアは都市のごく一部です。5Gスマホに買い替えを検討する際には、機種だけでなく自分は頻繁に買い替えをしているか・いないかや、対応エリアの広がりをチェックするとよいでしょう。

5Gの「ミリ波」は広がる?

5Gミリ波は広がる?

日本でも5Gがスタートしました。携帯電話会社が5G対応機種のキャンペーンをしています。

実際5Gの現状はどうなっているのでしょうか?5Gミリ波の課題と併せてみていきます。

5Gの現状

5G対応のスマートフォンを購入した人たちから、5Gにしてよかったところをあまり聞くことがありません。

何故なのでしょうか?日本では5Gのサービスは始まっていますが、基地局などのインフラがまだ整備されていないからです。

周波数帯

5Gは4Gと違う周波数帯のため4Gと同じ基地局が使えません。

5Gで使われる電波は遠くまで届きづらいという特徴から、必要な場所に電波を届けるためには、基地局のほかスモールセルという小規模な基地局の整備が必要になります。

これらを整備するには、多くの資金と時間がかかるので、日本で5Gが使えるエリアは限られているのです。現在販売されている5G対応のスマートフォンも、実際は4Gと5Gの電波を併用しています。

そのため「5G」を実感できるのは5Gの電波が届く限られたエリアだけなので、5Gのサービスが始まっても「よくなったよ!!」という声があまり聞かれないのです。

5G「ミリ波」の課題

5Gミリ波は超高速通信、低遅延、多数同時接続というメリットがありますが、電波の届く範囲が狭い、建物や雨、水蒸気など障害物の影響を受けやすいという課題があります。

電波は周波数が高くなるほど回り込みにくくなります。特にミリ波は直進性が極めて高いので屋内で電波が届くのは窓際くらい。基地局が直接見えない状況では難しいでしょう。

ミリ波として割り当てられた帯域が広くても、それを有効活用するためには基地局を多く設置する必要があります。

5G「ミリ波」今後の広がり

これから5Gはどのような分野で広がっていくのでしょうか。総務省(2018年12月)の資料などからまとめます。

買い物

アメリカのシアトルで2018年1月にAmazonが「Amazon Go」を開業しました。

Amazon Goにはレジがなく商品を手に取りお店を出るだけ。専用アプリを通じてAmazonのアカウントで決済されるということが、日本でもニュースになりましたね。

このような無人コンビニにはまだ課題も多くありますが、IoTで身のまわりの様々な物がつながり、低消費電力などに対応したセンサーが普及することで、商品をレジに通さなくても買い物ができるようになります。

スポーツ・エンターテインメント

超高速通信や超低遅延が可能になれば、遠方で会場に行けない方でも自宅でより鮮明な映像でスポーツやライブをリアルタイムで楽しめるでしょう。

5G対応のARやVRを取り入れれば現地に行っているかのような臨場感をあじわえます。また、マルチアングルで自分の好きな視点から観ることができるようになります。

医療

遠隔診療

今までの遠隔診療は画像診断にとどまっていました。

5Gの超高速大容量通信・超低遅延通信が実現することで、地方の診療所から送られてきた高精細の映像により専門医の診察や治療、手術を受けられるようになります。

遠隔診療の現状は高齢者への対応の難しさ、対面診療に比べて診療報酬が低い、システムを導入する際のコスト、セキュリティ面の不安などから普及率が低い自治体があります。

これら遠隔診療の課題について、行政が支援や環境整備を積極的に行うことが必要です。

農林水産業

農業の就業人口は65歳以上が全体の6割を占め、農業従事者の高齢化が進んでいます。

若い世代が農業から離れてしまう中、ロボットやAI、IoTなどを活用した実証実験が行われています。

餌をロボットがあげたりドローンで水や薬剤の散布ができれば、自宅で畜産や農作業の管理が可能になるだけでなく、生産性の向上も期待できます

建設業

ドローン

ドローンを活用しての測量解析や足場がない現場の状況確認が必要になったとき、今まではドローンを回収しデータを取り出してから行っていました。

5Gになり大容量のデータを瞬時に送れるので、ドローンを回収しなくても飛びながら送られてくるデータの解析や図面の作成、現場の様子を確認できるようになります。

建設機械の操作も大容量データを遅延なく伝えられるので、作業員が現場に行くことなくオフィスや自宅などの安全な場所でタブレットなどを使い遠隔操作が可能になります。

また、建設現場で作業員が装着する「フルハーネス安全帯」にセンサーを取り付けて、安全帯が機能しているか、正しい手順で装着されたかを遠隔でチェックできるシステムの研究開発がされています。

防災・減災

日本は地震や津波、火山噴火など自然災害が多く発生しています。

街に数多く設置された高画質の映像センサーから送られてきたデータを収集・活用して状況を把握し、被災者に最適な避難経路などの情報を素早く届けられるようになることが期待されています。

地方での暮らし

全国では多くの乗り合いバス路線が廃止され、地方で移動手段を確保することが難しくなっています。

超低遅延通信により自動運転システムが実現すれば、公共交通機関の利用が難しい地域でも自動運転タクシーで行きたい場所へ行きたい時に出かけられるようになります。

5Gが普及し、働き方や地方での暮らしが都市部と同じようにできるようになれば、「一極集中」が緩和されるでしょう。

災害時やイベントに大活躍!5Gが「車載型基地局」に登場

docomoやauなどは、災害が発生し基地局が使えなくなった場合や、大型イベントで多くの人が集まっても「つながる」通信環境を整えるために車載型基地局を保有しています。

車載型基地局には通信に必要な設備(無線機やアンテナなど)が積まれていて、スマホや携帯電話がつながりにくい場所で電波を届けるという役割を担っています。

災害対策用とイベント対策用の車両型基地局があります。

災害対策用の車両はいち早く現場に行けるよう機動力の高い小型車で、緊急車両指定を受けていて迅速に動けることが特徴です。

イベント対策用の車両は多くの人が利用しても安定してつながるように、大容量の発電機やたくさんの無線機が必要になるので大型車両が用いられます。イベントの規模により複数台配置されることもあります。

車載型基地局には主にイベント対策用としてつくられた5Gに対応する車両が登場しました。5Gが始まったとはいえ4Gを利用しているユーザーはまだたくさんいます。5G対応の車載型基地局は、5Gだけではなく4Gの電波も届けられます

5Gから6Gへ

5Gは、スマホだけでなく働き方や日々の暮らしにも関わってくるものだということがわかりました。

5Gがスタートして生活が変わったという実感はあまりありませんが、業界では次の世代「6G」にむけて研究開発が始まっています。

5Gの特徴でもある超高速通信や超低遅延、多数同時接続がどのように進化していくのか、これからも注意深く見守りたいですね。