CS(顧客満足度)向上させるには?成功事例と具体策を徹底紹介!

CS(顧客満足度)向上させるには?成功事例と具体策を徹底紹介!

顧客のニーズが多様化し、さまざまな商品やサービスがあふれる現在、単に商品やサービス自体の質や価格だけで勝負することは大変難しくなっています。

そこで注目されるようになったのが「CS(顧客満足度)」や「顧客ロイヤルティ」といった新たな指標・評価方法です。

ただ、「CS(顧客満足度)の向上は大切だ、売上に影響する」といっても、「CS(顧客満足度)」という言葉自体があいまいで、何をどうすればいいのか分からないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。

ここではCS(顧客満足度)という言葉の意味から、CS(顧客満足度)向上のメリット、向上のための対策まで具体的に解説します。

この記事でわかること
  • そもそもCS(顧客満足度)とは?
  • CS(顧客満足度)向上のメリットと成功事例
  • CS(顧客満足度)向上のための具体的な対策・方法

CS(顧客満足度)とは?

CS(顧客満足度)向上とは?

CS(Customer Satisfaction;カスタマーサティスファクション)は顧客満足度を意味し、企業の提供するサービスや商品を通じて顧客に満足してもらうことを目的とした概念のことです。英語の頭文字をとって、一般的にCSといいます。

ただし、商品・サービスに満足したかどうかの基準は顧客ごとに異なるため、満足するものが提供できているか客観的に判断することが難しくなっています。

CS(顧客満足度)は、主観的な判断に偏ってしまわないための指標で、これを調査に用いることで顧客のニーズをとらえ、サービスの向上や新たな商品企画につなげることができます。

CS(顧客満足度)が向上すると売上はアップする?

CS(顧客満足度)=売上アップ?

超大手カード会社のアメリカンエクスプレスは、2007年からNPS(ネット・プロモーター・スコア)という指標を用いた顧客満足度調査を行い、実際に収益を伸ばしています。

年2回の調査を行いながらサービスを改善することで、解約率を約4分の1に減少させ、1人当たりの利用金額を10%上昇させるという大きな成果を上げました。

このNPSはアメリカのコンサルティング会社、ベイン・アンド・カンパニーが2003年に発表した、顧客満足を測るための指標の1つで、顧客の商品やサービス、ブランドに対する愛着や信頼を数値化したものです。

ベイン・アンド・カンパニーの調査によると、NPSの向上は航空業界やインターネットプロバイダ業界などの成長率と強い相関関係があることが分かっています。

このようにCS(顧客満足度)の向上は売上アップに大きく影響しているといえるでしょう。

CS(顧客満足度)向上のメリット

CS(顧客満足度)向上のメリット

CS(顧客満足度)の向上は、どのように売上アップにつながるのでしょうか?CS(顧客満足度)を向上させることで得られる3つのメリットを紹介します。

CS(顧客満足度)向上でリピーターが増える

商品やサービスへの満足度が高く、「またこのお店で買いたい」「またこのサービスを利用したい」と感じた経験は誰しもあると思います。

顧客の満足度を高めることで、再来店や再利用の可能性が高まりリピーターを獲得しやすくなります。

1:5の法則(新規顧客獲得のコストは既存顧客の5倍かかるというもの)や5:25の法則(顧客離れが5%改善されると、利益が最低でも25%改善する)という法則が示すように、リピーターの増加は顧客の獲得コスト削減、利益改善につながります。

口コミや高評価レビューにより新規顧客が増える

レビュー

McKinsey & Company社の「A new way to measure word-of-mouth marketing」(2010)の調査によれば、「口コミは購入決定の主な要因の20~50%を占める」ことが分かっています。

また、「口コミの影響は顧客が初めて商品を購入する場合や商品が比較的高価な場合など、購入までの検討期間が長くなる場合に顕著であり、また、デジタルの進歩に口コミの影響力は1対1のコミュニケーションではなく、すでに1対多数のコミュニケーションに拡大しており、今後もそれは加速していく」と述べています。

顧客満足を向上させ、ポジティブな口コミを増やすことで、新規顧客が獲得しやすくなるといえます。

認知度・イメージアップにより潜在顧客が増える

CS(顧客満足度)の向上により口コミが増えると、口コミサイトやSNSで自社の商品やサービスを目にする機会が増えます。

それにより自社の認知度やイメージアップにつながり、自然と潜在顧客にアプローチすることが可能になります。

潜在顧客を増やし、将来の新規顧客のために種をまいておくことが継続的な利益獲得のために重要となるのです。

CS(顧客満足度)を向上させた企業の成功事例3選

CS(顧客満足度)を向上した企業3選

メリットは分かっても、実現は難しいのではないかと感じる方も多いのではないでしょうか。

ここではCS(顧客満足度)を向上し、収益アップを実現した企業を3つご紹介します。CS(顧客満足度)を向上させるための成功イメージを描きましょう。

セイコーマート

公益財団法人・日本生産性本部「サービス産業生産性協議会」による2020年度の顧客満足度調査のコンビニ部門でセイコーマートが1位を獲得し、5年連続1位の記録を更新しました。

セイコーマートは北海道を中心としたコンビニです。

生産~小売までグループ会社で行い、中間マージンを抑えた低価格商品を提供する、およそ80%を直営化することでサービスを安定させる、離島などの僻地へも積極的に出店する、地産地消にこだわった商品・保存料を使用しない健康に配慮した商品を開発するなど、道民(顧客)のこと常に1番に考えて寄り添うことで高い支持を得続けています。

リッツ・カールトン

海外

アメリカのリッツ・カールトンで「プロポーズをするので、ビーチサイドに椅子1つを残しておいてほしい」と頼まれた従業員が、その顧客のために椅子だけでなくテーブルや花、シャンパン、さらにはひざまずいても汚れないようにハンカチまで用意したというエピソードはとても有名です。

このようにリッツ・カールトンは「こんなことまでしてくれるのか」という顧客の感動をつくりだすことで、世界中でファンを獲得しています。

感動を生み出すために、顧客情報をリッツ・カールトン全体で共有し世界中どこでも同じサービスを提供する、従業員に1日2000ドルまでの決裁権をあたえ、従業員個人の判断で行動できるようにするなどの取り組みを行っています。

顧客目線でのサービスを徹底することで、ホテルのリピート率は約40~50%と高い水準を維持しています。

みずほ銀行

みずほ銀行は、2020年度日本トレンドリサーチの3大メガバンク顧客満足度調査で1位を獲得しました。

2018年からwebチャットによる対話型自動応答サービスを導入し、24時間365日いつでも顧客の疑問を解決できるサービスを開始しました。

また、有人の問い合わせサービスも併用し、多様化する顧客の課題解決にも対応できるようにしています。これにより利用した顧客の解決率80%以上、満足度90%以上を獲得しています。

CS(顧客満足度)を定義する

CS(顧客満足度)向上を定義する

成功のイメージが湧いてきたところで、CS(顧客満足度)の向上に取り組むための第一歩は「自社にとって顧客満足とは何か」を定義しておくことです。

人が満足を感じるのは、「期待値より高い体験をした」と感じたときです。これは商品やサービスを購入する前の事前期待と購入して得られた商品・サービスの実績評価の差で決まります。

つまり、顧客満足は絶対値ではなく相対値で決定されるのです。相対値で決まるということは、購入後の評価をいかに上げるかを考えるだけでなく、顧客がどのような期待をもっているかを把握する必要があります。

評価を上げることばかりに注力してしまうと、顧客の期待に応えられず満足を得られないばかりでなく、顧客に余計なお世話と捉えられマイナスの評価を得てしまいます。

CS(顧客満足度)向上に取り組む際は、顧客が自社の商品やサービスに対してどのような期待をもっているのかをしっかりと把握し、定義しておくことが重要です。

そして、それに対してどのように解決策を提案できるのかを考える必要があります。

CS(顧客満足度)調査で現状を把握する

CS(顧客満足度)調査で現状理解

CS(顧客満足度)向上の具体策を行う前に重要なことは、まず現状を知ることです。ここでは、調査の主な手法を紹介します。

アンケート形式

アンケート形式は、もっとも一般的な調査方法といえます。店頭や郵送、電話、メール、webサイトやSNSなど、さまざまな回答方法があり、一度に多数の意見を集めることができます。

数値で評価できるため、客観的に判断しやすく分かりやすい点もアンケート形式のメリットです。

インタビュー形式

吹き出し

インタビューは定性調査ともいい、1対1または1対複数の形で対話しながら行うものです。顧客の言葉や行動から数値化しにくい回答を得ることができます。

購入したときの状況や理由などの購入にいたるまでのプロセスや背景を具体的に知ることで、顧客一人ひとりのリアルな声をきくことができます。

専門業者を利用する

大規模な調査を実施してデータを集めたい、せっかくデータを集めても的確な分析の仕方がわからない、より専門的な結果が知りたいといった場合には、専門業者に依頼するのも一つの手段です。

第三者ならではの客観的な分析や覆面調査など専門業者ならではの調査を実施することも可能です。

CS(顧客満足度)・顧客ニーズを測る指標

CS(顧客満足度)を測る指標

CS(顧客満足度)調査をしたいがどのような項目を確認すればいいのか分からない、客観的な指標が知りたいと思うこともあるのではないでしょうか?そういった場合に参考になる、4つの指標をご紹介します。

CSI

CSIはCustomer Satisfaction Index(カスタマー・サティスファクション・インデックス)の略称で、アメリカを中心とした約30か国で使われている顧客満足度の指標です。

1994年から調査が開始され、アメリカのCSIであるACSIは民間企業だけでなく、政府や地方自治体のサービス調査にも使用されています。

質問は「顧客期待値」「知覚品質」「知覚値」「顧客府満足度」「顧客忠実度」などの項目に分類され、相関関係のある複数の項目の平均値をとることで、信頼性の高いデータを得ることができます。

JCSI

CSIの日本版がJCSIです。2007年から3年間かけて開発された顧客満足度の指標で、サービス産業の競争力強化を目的とした国家プロジェクトの一部です。

質問項目は「顧客満足」「顧客期待」「知覚価値」「知覚品質」「推奨意向」「ロイヤルティ」の6つです。

100点満点で指数化され、他社との比較が容易にできること、業界を横断した統一指標のため、業種を越えた顧客満足度の指標として利用できることが特徴です。

NPS

心のベクトル

NPSはNet Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)の略称です。商品やサービスに対する顧客ロイヤルティを数値化するための指標で、業績との相関関係が高いことから近年注目されています。

「商品やサービスを他の人に薦めたいか」を0~10点ではかるシンプルな計測方法です。9~10点をつけた顧客を「推奨者」、7~8点の顧客を「中立者」、0~6点の顧客を「批判者」とし、推奨者の割合から批判者の割合を引いた値がNPSとなります。

商品やサービスに「満足している」と回答する顧客が必ずしもリピーターになるわけではないことから、AppleやGoogle、P&Gなどの世界の超大手企業でもNPSを用いた調査が採用されています。

CES

CESはCustomer Effort Score(カスタマー・エフォート・スコア)の略称です。

顧客努力指標といい、商品やサービスを利用するまでにどの程度労力が必要だったかを数値化したものです。

NPSが商品やサービスへの愛着度を測定し顧客ロイヤルティを向上させるための指標であるのに対し、CESはストレス度や負担感を測定し、ロイヤルティを下げないためにはどうすればいいかを調べることができます。

CESはリテンション率(顧客の定着率、継続率)と関連が高いことが分かっており、NPSと合わせて計測することで、より具体的な改善ポイントを明らかにすることができます。

CS(顧客満足度)目標を設定する

CS(顧客満足度)向上のための目標設定

CS(顧客満足度)調査で現状を把握したら、次は改善に向けて正しい目標設定をすることが必要になります。正しい目標設定のために重要な「SMARTの法則」をご存知でしょうか?

SMARTの法則は、1981年にジョージ・T・ドラン氏が提唱した目標達成のための、次の5つの要素です。

  • Specific(具体的な)
  • Measurable(測定可能な)
  • Achievable(達成可能な)
  • Related(関連性のある)
  • Time-bound(時間制約のある)

この5つの要素に従い目標を設定すると、達成に向けてどう行動すべきかが分かりやすくなり、達成の可能性も高まります。

CS(顧客満足度)向上のための具体策

CS(顧客満足度)向上のための具体策

ここからはCS(顧客満足度)を向上させるための方法として、5つの具体策を紹介します。

商品やサービスの質を安定させる

CS(顧客満足度)向上にはまず、商品やサービスの質を安定させる必要があります。

商品やサービスの質そのものが悪くては、それ以外でいくら顧客を感動させたとしても全体の満足度アップにはつながりません。

アメリカの心理学者、フレデリック・ハーズバーグは満足・不満足は対義語ではなく、それぞれを決めるには、満足をもたらす要因と不満足をもたらす要因があるという二要因論を提唱しました。

不満足をもたらす要因を「衛生要因」といい、満たされても上がらないが、満たされないと満足度が下がってしまう要因を指します。

具体的には「発注数通りに商品が届かなかった」「予約した日時にサービスを受けられなかった」などです。

CS(顧客満足度)向上の前提条件として、「発注数通りの商品が届く」「予約した通りにサービスが提供される」など、顧客が当然と思っているサービスをきちんと提供し、不満足感を抱かせないことが大切です。

CS(顧客満足度)の定義・目標を共有する

ビジネスマン

一口にCS(顧客満足度)向上といっても、考えるべき項目は多種多様です。

例えば、レストランを経営している場合、メニューの内容、接客対応、内装などの空間デザイン、店舗の立地などの項目がありますが、すべての要素ですべての顧客を満足させることは困難です。

まずはこだわるべきポイントをしぼり、それをチームや社内で共有しましょう。全員が同じ方向を向くことで、生産・流通・販売などの各段階で、統一感のある対策が可能になります。

CS(顧客満足度)だけでなくES(従業員満足度)も大切にする

2015年の厚生労働省の調査で、「『顧客と従業員満足度の両方を重視する企業』は『顧客満足度のみを重視する企業』と比べ、業績が向上し、人材確保ができている」ことが分かっています。

CS(顧客満足度)向上というと、顧客のことばかり考えてしまいがちですが、従業員の満足度向上も不可欠です。

ES(従業員満足度)の向上には、従業員のモチベーションアップによる生産性の向上や人材の定着といったメリットがあります。

生産性が向上すると、商品やサービス自体の質が向上し顧客の満足を得られやすくなります。また、人材が定着し、顧客が同じ従業員から安定したサービス得られることも顧客の満足度向上につながります。

顧客と継続的にコミュニケーションをとる

DMやWebサイト、SNSなどを通した顧客への情報提供やコミュニケーションも、CS(顧客満足度)向上のポイントです。

定期的に情報を発信することで、見込み顧客に商品やサービスの良さを伝え、新規顧客につなげる、既存顧客にブランドイメージに共感してもらい、リピーター=ブランドのファンになってもらうなどのメリットがあります。

ただし、どんな情報でも提供すればいいというのもではありません。一度メールアドレスを登録した企業から、頻繁にDMが送られてくるようになって嫌な気持ちになった経験はありませんか?

CS向上につなげるには、顧客の属性を細分化し、適切な情報を適切なタイミングで発信することが重要です。

例えば、購入して間もない顧客には使い方のコツや活用例などを、購入してからしばらく経った顧客にはメンテナンス方法やリピーター特典のお知らせをするなど、使い分けが必要になります。

定期的なCS(顧客満足度)調査で新たな課題を探す

調査

CS(顧客満足度)調査は、一度行えばよいというものではありません。定期的に行うことで、顧客の期待に沿った商品やサービスを提供できているか、行った施策が正しかったのかを判断することができます。

期待した結果が得られなかった場合には、対策の見直しや新たな課題発見のチャンスにもなります。また、正しい結果を得るためにも、調査方法や対象、用いる指標が適切かどうかの見直しも随時行いましょう。

アンケート調査は大多数の回答を得るには便利ですが、具体的な回答は得にくいものです。

調査対象も自社に好意的な顧客ばかりを選んでいては、改善点を見つけにくくなるため、注意が必要です。

CS(顧客満足度)向上を目指す社員研修の方法

CS(顧客満足度)向上を目指す社員研修

CS(顧客満足度)向上のためには、実際に顧客に直接関わる社員への教育が欠かせません。定期的に研修を行い、社員の知識・意欲向上を図りましょう。

また、CS(顧客満足度)向上とES(従業員満足度)向上には切り離せない関係があります。

研修によってビジョンやゴールをきちんと共有することにより、社員の働きがい、すなわちESを高めることができます。

CS(顧客満足度)研修①:新入社員・新人スタッフ向け

新入社員・新人スタッフ向けには、まずは社会人としてのマナー研修から始める必要があります。

言葉づかいや身だしなみ、電話対応など基本的なことですが、これができていないばかりに顧客に不快感を与えてしまう可能性があります。

顧客に対してだけでなく、商品やサービス提供に関わる他業者との円滑なやり取りも、最終的には商品やサービスの質に関わるため、まずは社会人として必要なマナーを身に付けることが重要です。

 これに加えて「自社にとってのCSとは何か」「どのようにCSを向上させていきたいか」などの定義や目標を共有して、全員がチームでCS(顧客満足度)向上に向かって取り組む姿勢をつくることが大切です。

CS(顧客満足度)研修②:中堅社員・スタッフ向け

ミーティング

中堅社員・スタッフ向けには、グループディスカッション形式やロールプレイング型の研修で具体事例を共有し、より質の高いサービスの提供を目指します。

グループディスカッションでは、自身やメンバーの成功や失敗体験、現場できいた顧客の声を共有することでメンバーそれぞれの工夫を自身に取り入れたり、さまざまな角度から日頃の取り組みを見つめ直したりする良い機会になります。

そして、その身につけた知識を現場で活かせるように、ロールプレイング型の研修で実践しましょう。

CS(顧客満足度)向上には定義と現状把握から

CS(顧客満足度)とは、企業の提供するサービスや商品を通じて顧客に満足してもらうことを目的とした概念であり、それを数値化した指標です。CS(顧客満足度)が向上すると、リピーターや口コミによる新規客の増加など、さまざまな売上に直結するメリットが得られます。

そのためには、まず「自分たちのCSとは何か」を見つめ直すこと、現状の満足度を把握して顧客が何を期待しているかを知ることが重要です。

定義を明確にし正しく調査した上で、向上のための施策を実施していきましょう。