「DAU」や「MAU」はWEBマーケティングを行っていくうえで、とても重要な指標です。
今回は「DAU」と「MAU」の二つの意味と、それぞれの違いや、アプリを運用する上でどのように使う指標なのかを、わかりやすく説明します。
この記事でわかること
- AU(アクティブユーザー)とは?
- DAUとは?
- MAUとは?
- DAU/MAU比率とは?
- アプリのKPIとしてのDAU、MAU。
「DAU」「MAU」の「AU」とは何?

DAUやMAUには「AU」という共通の表記があります。これはいったい何の略で、どのような意味があるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
「AU」(アクティブユーザー)とは?
「AU」とは「Active User(アクティブユーザー)」の略で、一定の期間のうちで、アプリやサービスを一回以上利用したユーザーのことです。
アプリをダウンロードしても利用しなかったり、Webサイトのサービスで会員登録をしても、実際に使用していないユーザーを除いた利用実態を表す指標です。
「AU」(アクティブユーザー)のアプリ運用での重要性
登録や利用が無料のアプリやサービスでは、有料のサービスと違い、退会しなくても費用がかかりません。そのため、アプリをあまり使わなくなったユーザーも退会せずに「幽霊会員」となり登録ユーザーとして残り続けることが多いのです。
サービス開始から時間が経つにつれ、実質的には退会しているという状態のユーザーは増えていきます。単純な登録会員数だけでは現時点でどのくらいの人がアプリやサービスを実際に使っているかわからないのです。
ある期間に、一度でもサービスにアクセスした人を「アクティブユーザー」と呼び、その数をつかんでおくことが大切になります。全会員数に占めるアクティブユーザーの占める割合を「アクティブユーザー率」といい、アプリやサービスの「現在の実力」を表す、重要な指標の一つとして重視されます。
DAUやMAUなどは最終的に売り上げを向上させるためにきちんと意識すべき指標です。これらの指標はアプリのユーザーの使用用途や利用頻度、目的にあわせて使い分けることが大切です。
もちろん「AU」はアプリ以外の運用でも大切

「AU」はアプリ以外の運用でも重要な指標です。LINEやTwitter、Instagramなどのソーシャルメディアは情報のアップデートが激しいため、運用担当者は常に最新のユーザーの情報をチェックする必要があります。
Webサイトをどれだけの人が閲覧しているのかを確認できる指標でもあります。期間を区切って観察できるためサイトのリニューアル後の効果測定やユーザーの動向の把握にも役立ちます。
「DAU」(日別アクティブユーザー)とは何?

「AU」には期間ごとに表記と活用方法が異なります。サービスによってMAUよりもDAUを重視していたり、DAUに注目していて、それ以外は見ていないなどの違いがあります。
自社サービスのアプリやサイトの特徴を把握し、どの指標が重要になるのか見極めることが重要です。
「DAU」とは何?
「DAU」とはDaily Active Usersの略です。主にアプリやWebサービスなどで1日間にサービスを利用したユーザー数を表す指標のことです。
「DAU」の活用法
「DAU」は、アプリやサービスの利用規模や利用実態を表す指標の一つとしてよく使われます。1日に何度も利用するサービスであれば、現在のユーザーの状況を把握でき、「MAU」よりも重要な指標として扱われることもあります。
DAUは、ユーザー登録やログインして利用するサービスで用いられる指標です。
例えば、毎日利用してもらいたいアプリとしては、ビジネスチャットアプリの「Slack」や、SNS系アプリの「LINE」、漫画系の「ピッコマ」などがあげられます。
基本的にはデバイスや端末が異なっても重複してカウントされないことが求められます。
「MAU」(月別アクティブユーザー)とは何?

それでは「MAU」(月別アクティブユーザー)いったい何なのか、詳しくみていきましょう。
「MAU」とは何?
「MAU」とはMonthly Active Usersの略です。月あたりのアクティブユーザー数を示し、主にソーシャルメディアやソーシャルアプリなどで、適切な利用者数を示す値として使われる指標です。
「MAU」の活用法
「MAU」は、毎日でなく一か月に数回利用することを想定したアプリやサービスで指標として使われます。例えばECサイトや実店舗と連動したアプリなどで利用されます。
また、ユーザーのアプリやサービスへの定着率を測るのにもこのMAUが有効です。時間をかけて長期間、ユーザーに楽しんで使ってもらいたいという目標があれば、MAUが重要な指標になるでしょう。
例えば、MAUを指標にしている代表的なアプリには、月に何回か購入してもらいたいECサイトや、実店舗と連動したO2Oなどの小売系アプリが挙げられます。
「DAU」・「MAU」と「WAU」の違い
「DAU」・「MAU」・「WAU」はいずれもアクティブユーザー数ですが、対象期間が異なるため、アプリによって使い分ける必要があります。
「DAU」と「MAU」の特徴は先に述べましたが、「WAU」はWeekly Active Usersの略で、週間アクティブユーザー数を意味します。
メディア系のアプリで平日と土日を含めた1週間単位のWAUでアクティブ率を把握するために多く使われる指標です。
例として動画配信アプリの「AbemaTV」はWAUをもとにユーザー数の動向を公開しています。また、毎週定期的に見てほしいニュース系のアプリなどでも用いられています。
「DAU/MAU」比率とは?UPさせるために必要なこと

アプリとWebサイトを併用して運用しているとき、ユーザーのアクティブ率やスティッキネス(粘着性)を把握するために「DAU/MAU」比率を把握すると良いでしょう。
スティッキネス(粘着性)とは、ユーザーがそのサービスに、いかに惹きつけられ、熱中しているかを表す状態のことです。
「DAU/MAU」比率とは?必要な理由
「DAU/MAU」比率とは、主にアプリやWebサービスで日常的にどれくらいの頻度で利用されているかというアクティブさ、スティッキネス(粘着性)を測る指標です。
Webサイトを運用していて、途中からアプリの運用をはじめた場合、ユーザーの利用の一部はWebからアプリ中心へ移行します。運営側はWebとアプリの全体で成長を判断しますので、両者に共通する指標があると把握しやすくなります。
また、アプリの分析ツールにセッションの概念がない場合にも利用できる指標です。
「DAU/MAU」比率の計算式
「DAU/MAU」比率はDAU(デイリーアクティブユーザー数)をMAU(月間アクティブユーザー数)で割った比率で計算されます。
例えば、登録者数100万人のアプリで、1日にサービスを利用したユーザー数が40万人だった場合、DAU率=40万人÷100万人=30%です。
「DAU/MAU」比率のアプリでの目安
アプリにもよりますが、日常的な使用を見込んだアプリのDAU/MAU比率は10%~20%が標準的とされています。一般的に20%を超えると優秀な状態であり、40~50%を超えるのは非常に限られたアプリだと言えます。
日常的な利用を想定していないアプリであれば、DAU/MAU比率は必ずしもユーザーのスティッキネス(粘着性)を適切に評価しない場合があるので気をつけましょう。
「DAU/MAU」比率をUPさせるためには?

アクティブ率をUPさせるためには、コンテンツの定期的な配信が不可欠です。
もちろん一方的なセールス情報ばかり送ってしまうと、ユーザーは逆にうっとうしく感じてしまい逆効果になりかねません。
例えば、あるゴルフ場予約アプリでは、ユーザーのニーズに合わせて、プロによるゴルフレッスン動画を配信したところ、効果的であったとのことです。
「DAU/MAU」比率をアップさせるにはアプリのプッシュ通知を利用する方法もあります。こちらの記事を参考にしてみてください。

「DAU」「MAU」を意識してアプリのKPIを決めよう!

課金型のアプリ以外は、アプリのダウンロードだけでは売り上げはアップしません。ニュース系ならコンテンツを定期的に読んでもらいユーザーを増やし、広告収入を目指します。EC系アプリならセール情報やクーポンでユーザーをECサイトへ誘導し購入してもらう必要があります。
ここでボトルネックとなるのが、ユーザーがアプリをダウンロードしただけで行動につながらない状態です。広告を増やして新規ユーザーを募っても、既存ユーザーが休眠してしまうとアクティブユーザーは増えません。そうなると結果として売り上げのアップにはつながりません。
アプリによって目的が異なりますが、何がボトルネックになっているか知るために「アクティブ率」を【チェックするべきKPI】とする必要があります。
アクティブ率は対象期間が違う3種類ありますが、それぞれの特徴によって使い分けましょう。
アクティブ率の現象を把握できれば、新規ダウンロードユーザーに行動させるアプリの改修や、休眠ユーザーを発掘するためのプッシュ通知などの施策に取り組むことができるでしょう。
「KPI」について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

アクティブユーザーをもっと知るために

ダウンロード数や登録者数より、今現在のユーザーの状態を知ることができるDAUやMAUなどのアクティブユーザー数や「DAU/MAU」比率。これらを定期的に計測して目標に組み込むことで、サービスの改善のための指標とすることができます。
ユーザーが何を求めているか把握し、それを提供することで、さらなるアクティブユーザーを獲得することができるでしょう。
アプリの開発や運営にはアプリユーザーの動向の分析に詳しい専門家の力を活用するのも効果的です。「アプリコlabo」では豊富なアプリ開発の実績を元に運用、分析まで幅広いお客様のニーズに答えます。アプリの運用や分析に困った際は、ぜひ一度「アプリコLabo」にご相談ください。